2020/7/6
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<暑い、、、、、熱い>小祝島編 |
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星降る街のノヴェルレポートは4/10より始まっています 祝島は、その名に似合わず鬱蒼とした暗い森の島だった。 その昔、今の森の女王様が若かった頃、森の王様と仲睦まじかった頃、 人間によって森はよく手入れがされ、程よく光が入り、 人間たちは切った木で生計を立てていた。 10年前に王様が寿命で死んだ。 女王様は嘆き悲しんだ。子供たちがいくら慰めても泣いていた。 徐々に体調が悪くなり、更年期障害が出てきた。 「暑い、暑い!体が熱い!」「日光のせいだ!太陽のせいだ!」 とうとう女王様は木を切ることを禁じてしまった。 太陽の光を入れないようにするためだ。 人間たちは困った。どんどん貧乏になっていき、心が荒んだ。 しかし女王様は神様なので逆らえなかった。 やがて島全体が鬱蒼とした暗い森になり、月日が流れた。 女王様のほてりがひくことはなく、「暑い、熱い、暑い、ああ助けて、、、。」 といつも低い声で叫んでいた。 やがてドロドロと腐りながら死んでいった。 子供たちはついに女王様の亡骸を祝島の隣にほっぽりだした。 それが小祝島となる。 祝島は森林を適宜管理してやがて昔の明るさを取り戻した。 祝島の住民は小祝島の森の管理も適宜行った。 人間は誰も住んでいなかったが、木を伐採して光を入れた。 まるで森の女王を供養するかのように。 |
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